「グランズウェル ‐ ソーシャルテクノロジーによる企業戦略」(2008) シャーリン・リー、ジョシュ・バーノフ

主張:企業は、グランズウェルを理解し、活用しなければ、競争に負ける。

※グランズウェル:人々が自分に必要なものを企業ではなく、ICTを活用して別の個人から調達するようになっているという社会動向。


問題:企業が、グランズウェルに対処しきれておらず混乱している。

※グランズウェルが拡大している背景は、人々が自分に必要なものを企業から調達することに関して潜在的な不満を抱えている状況で、ICT技術が大幅に進歩(回線速度・処理速度が向上、ポータブルデバイスが進化)し、ICTを利用する人数、頻度、範囲が増大していったことである。

グランズウェルには、次の3つの特性がある。

特性1:発信源が遍く広く存在する。

特性2:抑制が逆効果になる。

特性3:企業が持つ影響力を上回る。(ブランドイメージ、意思決定など)


解決策:対象とする人々のICT利用方法を理解し、自社がグランズウェルを活用する目的を明確にした上で、それらに適した戦略を実践する。

グランズウェルの代表的なICTは、次の6種類である。

①コンテンツ創造:ブログ、ユーザー生成コンテンツ、ポッドキャスト

②つながる:ソーシャルネットワークと仮想世界

③コラボレーション:wikiとオープンソース

④リアクション:フォーラム、格付け、レビュー

⑤コンテンツ整理:タグ

⑥コンテンツ消費加速:RSSとウィジェット


そして、企業がグランズウェルを活用する目的は、次の5つに分類できる。

目的1:傾聴→実状を知る

企業は、ICTを用いて人々の声に耳を傾けることによって、次の6つのような情報を得ることができる。
①ブランドの象徴、②ブランドイメージの変化、③顧客のニーズ、④インフルエンサー、⑤広報上の危機、⑥新しい製品サービスのアイデア。

目的2:会話→効果的に伝える

企業は、ICTを用いた次の4つのような方法で、人々に伝わりやすいメッセージを届けることができる。
①一般メディアへの投稿、②一般メディアでのコメント、③自社メディアへの投稿、④自社メディアでのコメント。

目的3:活性化→熱心な顧客を活かす。

企業は、次の3つのような方法で、熱心な顧客が持つ影響力を最大限に活かすことができる。
①顧客が評価を行う場を整える、②顧客が学ぶための場をつくる、③顧客が集う場に参加する。

目的4:支援→顧客同士で問題解決してもらう。

企業は、顧客が別の顧客から有益な情報を入手するためのサポートコミュニティを設けることによって、顧客の満足度を高め顧客の心理所得を獲得することにつながる。

目的5:統合→ビジネスプロセスの中で顧客に活躍してもらう。

企業は、ある顧客の意見を他の顧客の問題解決にも活かす仕組みを整えることによって、速度の速いイノベーションを実現できるようになる。

原著:Groundswell: winning in a world transformed by social technologies (2008)

原著:訳者:伊東奈美子

The Critical New

優れたアイデア - 新しく核心をついたアイデアは、世界を前進させる。 守破離。温故知新。巨人の肩の上に立つ。 過去への敬意なくして、新たな未来は描けない。 知見創造は、時空を超えた全員リレーである。 学ばねばならない。学ばねばならない。学ばねばならない。 しかし、一生かけても全ては学べない。限界がある。 このサイトの使命は、知見の圧縮である。 書籍による学びを最小文字数で表現することである。

0コメント

  • 1000 / 1000